義眼用資料 「記録(10)視野角と顔の傾き」(2014年07月21日製作)
何とか10回目まで書く事が出来た…
伝えたい事を文字に替えるのは難しいですね、拙い文章でどこまで伝えられているのやら…
今回は、
「片眼者の視野角と顔の傾き」
について。
まずは視野角度の基礎知識です。
視野角度(ネット引用)
人間の両眼での視野角度は水平約200度、垂直約125度(下75度、上50度)
情報受容能力に優れる有効視野は水平30度、垂直20度程度に過ぎない。
片目では、
水平方向だと鼻側で約60度、耳側に約90度~100度で約155度の視野が有る。
体感ですが、「情報受容能力の角度」に関しては両目でも片目でも同じだと思います。
脳が目の焦点を基準に、同等の機能になるように補正しているのだと思います
視野角度を絵でイメージして貰うならこんな感じです。
「両目での視点(視界約200度)」
鉄砲玉は絵心が有りませんので雰囲気だけを感じて貰えれば・・
目前の赤い●を見ているというイメージ図です。
視線は「赤矢印↑」として下さい。
因みに、
自動車運転免許の取得条件になる視野角度と視力は
「視野角150度以上、視力(矯正可)0.7以上」
となっています。
片目でも、普通に見えれば免許を取るのに何の支障もありません
日常生活において、
「その視野角度で支障は?」
と聞かれれば無いと答えられます。
普通に行動するには約155度の視野が有れば何も困らないと言えると思います。
けど、やはり両目見える人よりは死角が多いし、見えない側の死角は大きい・・。
例えば自分で何かをする時にその「所作」が見えない側の
「手先・肘・肩・膝」
は動きの把握が目に頼れないことが多く、
勘や感覚のみで動かす世界になることもしばしば・・。
勿論目線をそちらに向ければ見れることなのですが、それでは何かをする時に制限の有る物事(例えば踊り・部活・姿勢が限定されている作業等)には対応出来ない場合も有りました
子供の頃は怖いもの知らずで自分の視野範囲は普通なんだと思ってましたが、
大人になり両目が見える人より視野範囲が少ないと考えるようになると、見えない側に少しずつ恐怖を感じるようになりました。
この感覚は、私個人の物なので参考にはならないと思いますが…(色々考え過ぎてるから?)
次に
目線の方向と顔の傾きなのですが、
見えない側の死角を少しでも無くす為、自然と顔が死角側に傾くようになりました。
イメージはこんな感じ…、
「片目で顔が正面の視点(視界約155度、死角45度)」
「片目で顔を傾けた視点(視界約155°)」
死角=両目で見える人との差です。
Excelで絵を描いてみて、さらに絵を傾けてみれば
・顔の傾きは約10度
・目線の傾きは3度
・鼻側の死角約45度→25度に軽減
・耳側の死角約20度増加
でした。
これは私の体感でもこんな物かな~と思うので大体当たっていると思います。
実際は見える目が正面を見るのではなく斜め視線(3度)になる。
しかし、この状態でも鼻側には死角が多い状態である事を理解していただけたらと思います。
普段自分からすると、顔の傾きは身体的には気になっていません。
だって、その状態が本人のベストな視界なのですから…。
そう言えば小学生の頃は、散髪屋さんで前向いてるつもりでもよく頭持たれて
「ぐりっ!」と向き変えられたな(笑)
自分では真っ直ぐ鏡見てるつもりなんだけどね
もし、幼少の頃に顔の向きが傾いているなと思われても無理に正面に矯正しない方が良いかと私は思います。
視界と行動のバランスが一番取れている状態ですし、それを矯正すると見えない側の半身に死角が多くなり本来の運動能力は発揮しにくくなるかもしれません。(手先・肘・肩等の位置を把握しにくい)
小さい頃は体を動かすことで色んな神経を発達させて行くでしょうし、そこは片目者ならではになる運動神経の成長を見据えてあげるのが一番大事かと思います。
大人になれば「TPO」 で顔の傾きは自分で補正するようになります。
写真撮るときや会話・面接なんかで相手の目を見るときなんかがその状態です。
ただ、常に顔の方向が傾いていると言うことは、「自然な体の状態」とは違いますよね。
やはり、首が痛くなったり肩こりになる人も居るのでは?と思います。
私は体の柔らかい体質で、今まで肩こりを経験したことが無いので分からないのですが…
体が硬いと首筋や肩に負担が掛かるかも知れません。
子供の頃に出来るだけ柔らかい体作りをして、軟体人間になって貰うことをお勧めします(笑)
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鉄砲玉の義眼体験記 【Experience story of artificial eye life】
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